新大久保という土地
いまは新宿よりは新大久保にいることが多いのだが、新大久保自体は新宿にいたころから裏新宿というニュースサイトをやっていて、ウォッチ対象で10年くらいすべてのニュースを残らず読んでいたので、かなりわかっているつもりだ。特定のエリアはカード偽造だの、盗難だの事件が多かったが、おおむねおとなしい土地柄ではあるのだ。このエリアには水商売や外国人イメージがあるが、実は三流芸人や物書きが多い。新宿に近いにも拘らず、家賃がやや安いから(タモリ倶楽部ではネパール人が安さを否定しているが、地の利を考えれば安い)ということがひとつ。書き物に刺激がほしいからというのがひとつ。芸人の場合は事務所や小屋が近いから、おおむね交通費がかからないというのがひとつ。あとは淀橋市場が近いので食材、特に野菜の物価が安いのだ。
しかし男の物書きの人は実に上から目線で、外国人や街娼をみては腐す。街のおっちゃんを見ては腐す。ということを妻もどうかとは言っていたが、確かにそうで、自分も新大久保の住人であることがどう見られているということがわかってはいないのだろうな、とは思う。
「自分はそれら街における人々よりも上流でいたい」。そんなすさんだ心ではろくなものは伝わらないし、その空気に同調する悪いところ大好きっ子くらいにしか共振されないのだが、外向けにはそんなスタイルがかっこよく見えるのだろうな。
歌舞伎町(実際は新大久保寄り)に住んでいたときに銃声は普通といって凄みをつけてた音楽家先生のおっさんしかり、裏系専門の人しかり、ライターしかり、写真家なり、もと暴走族なり、歌舞伎町を商売にしている人全体がそうなんだが、現実をベースにはしてるんだけど、作家ということでは、皆虚飾が好きなの。それは新宿や新大久保にはリアルな世の中にはあまりない浮世離れした部分や闇があるからなんだろうけど、書かれてること100%鵜呑みにしたらだめだから。正しいのは50%くらい。
エンタメで見るそれらは街に暮らす人から見たらなにそれ、アホか、お前がおかしい、くらいの話で。昨今はそれ以外に、デモとかいっては憂さ晴らしをする輩の関係で右左を持ち込んでくる人が増えたが、もちろんこのような多文化の状況ということでかなり主張の強い窓から国旗だしているようなお方はもともとこの街にもいるが、元からの住人の右寄りチェックして文句いってるような人は基本的に他所の人なのだ。基本的にこの街は許容性が高く、どちらの方だろうが、普通にしていれば普通に付き合うし、ほっといてもくれる街なのだ、だから余計な街への介入は正直迷惑である。
昔はコロンビア人やペルー人が仕切ってたり、街宣車ばかりいるような街だった時代もあったのだよ。トカレフが普通に手にはいる時代もあったし、青竜刀ぶんまわす人もいたし。その頃に比べれば、いまはかなりまともにはなっているんだよ。以前は元気だった韓国と、大久保よりの中国系の元気はなくなり、ベトナムとネパールが躍進しつつはあるけど。インドネシアや台湾も地道にはある。
まあ各国カルト宗教系の勧誘とか韓国の問題をそのまま国内に引き継いでるのや、北の問題がそのままここにある総連とかはあるけど、それでもかなり良くなったよ。女性が歩ける街になったんだから。
とにかく歌舞伎町や新大久保でモノを書く人は、自分を優位に置き、表面だけ見て人を貶めるな。
そんだけ。
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