エ口本編集者のリスク+一般編集者の無理
女性のクオリティで持たせてきていた風俗雑誌でさえ、各種規制(都条例など)の結果、ほとんどがデリヘルなどの無店舗型店舗になってしまったことで、非常に雑誌としてのモデルクオリティの基盤が下がり(店舗に誘導する導線を作ることが優先になってしまったため、女の子の写真のクオリティで勝負するということがあまり重視されなくなった)、買う人も減り、ビジネスとして成立させずらくなった。カメラマンも結構解雇されており、逆にもう風俗関係から若干手を引き、ホストを軸にしてファッション分野に参入するプロダクションがあったり、ネットビジネスへの変貌についていけず結局少し抑え目で求人寄りな媒体やキャバレベルまでの告知フリーペーパーを私鉄におくなどのシフトチェンジをはかるところなど、実際のところ風俗情報産業でさえ次を模索しているのが昨今である。
話は戻るが、エ口本編集者の人たちは体を張っていてリスクがあるにも係らず、企業としてはリスクを負っていないため個人リスクが高い仕事だなぁと改めて思った。
(1)性病リスク ○行為をグラビアの関係上やらなければいけないこともあり、モデルはもともと奔放な人が多い上に一部は風俗嬢をかねている場合もあり、性病に関してかかるリスクがある。保健組合のお金は出るにせよ、治療は個人負担
(2)バイアグラリスク 仕事上、絵面の作るためと相手方をがっくりさせてはならないため、バイアグラを飲まなければならない場合がある。一日2本撮影がある場合など、心臓に怪しい兆候がある場合もあるらしい。しかしこれも死亡して訴訟でも起こさない限りは基本的に難しい。バイアグラは病院で必然性があれば処方してもらえるが、それも全部が経費にはならないので、自己負担。
(3)編集過剰リスク 昨今編集の人はDVDつきじゃないと売れないせいでビデオも撮っているので、ビデオ編集もして、DTPもして、昔の3倍は忙しくなっている。しかしギャラはおんなじでむしろお金が削られる場合もある。若者ほど家に帰らない。しかもこの業界は労働裁量も認められ、かつ女性の宿泊勤務も禁じられる業種から除外されているため、ある意味テレビの下働き並みにむちゃくちゃな場合もある。
(4)離婚別離リスク 仕事を理解できてもなかなか、絡んでいるものを見て精神的に納得してくれる女性は少ないので大変。見せなくても偶然見ることもあるし。
(5)軟禁リスク モデルプロダクション等とトラブルがあって軟禁されても法的に助けてもらいづらい。自己解決力が要求される
訴訟リスクだけは、始末書つきで会社が負ってくれるんだろうけど。
こんなリスクのある仕事をしている友達たちはすごいなぁと思う。
で、こんなリスクはエ口だけかと思っていたらそうでもないんだよねぇ。
出版業界自体に、価格を優先して適正な原価や構造を考えない、しかもその矛盾を下請けや企画者が負う構造に問題があるんだよ。言論機関であるせいか、自由主義もあってか、足並みが揃わない業界じゃないですか。業界団体も全体的な拘束力を負わないし。で、会社によっては数百時間の残業が当たり前だったりする一方で、あご足つきな状態の会社もあるわけですよ。それは売り上げの差、であればそれはしょうがない。しかし、昨今売り場が半分になっているにも係らず、価格政策を優先してきた結果、大手では広告モデルであわせていても、それの成り立たないところはどうしているかというと人件費や予算を削ってあわせているという異常なビジネスモデルになっている訳で。
蟹工船に乗っている人たちはあまり気づいてないけど、そろそろ理解してもいいんじゃないかな?
余裕のあるところは問題ないものの、余裕のないところ(例えば適正な制作費、適正な人件費が配置できない所)は「月に2回しか家に帰れない」なんていうことになってしまうのは、正しくないですよ。それをオッケーしてしまわないといけないところとか、その条件でやらなきゃならない昨今のあんまり余裕のないところにいる従業員たちとかにも問題はあるのだが。さすがに、反乱する人も出てきたね。
歌舞伎町の片隅で、(今はまだ経費で飲み歩いている大手出版の人たちがなぜか新宿界隈には多いですが)アジア外国人たちが「日本の出版モデルは終わる」と語っているのはわりと正しい解析だなぁと思う。
このニュースリリース面白い。
http://www.news2u.net/NRR200718071.html
実用書項目見たらアダルトがあるよ。エ口本も作れるんだねここ。売れなくていいようなマニア本ならサイトから誘導>これでもいいような気がする。