年配者は持てない子供の代わりにペットを飼っている
結構な年の独身の人や中年夫婦が、よく犬や猫を飼っているのを目にする。いままでペットというのは家族のパートナーとして、児童への情操教育としても、もっと夢溢れるものだと思っていたのだが、年配の1~2人世帯にとっては子供の代用品みたいな側面もあるのだなということに、この年齢になってはじめて気づき、社会のシステムにとても切なさを感じる。
あの桐谷さんも知らない、縁組限界年齢
日本の行政ではある一定の年齢になると通常の赤ちゃんからの養子縁組は難しくなるのだが、それすら必要な人が知識として知るように教育されていないのは、例えばテレビ「月曜から夜ふかし」の特番で60代の桐谷さん(株主優待生活で有名な人)が「養子をとって育てたい」という現実味のやや低めなことを(大きい状態からの(預かるだけの)里親制度や身内などからの縁組なら別だが)お見合い企画で若い女性に言ったりするのでもよくわかる。さすがに桐谷さんも、年齢的に妊娠させるということまでは考えていないと思われるが。
この一定年齢での養子縁組を受ける多くの団体の受付カット、これは児童保護の側面を重視すれば(未成年のうちに養親が病気などになり児童が負担を強いられたり、病死でいなくなる恐れもあり)それは制度がそうなるのも理解できるのだが、だいたいそういった制度の限界年齢には、初婚の遅い今時の人は、さまざまな治療等をしている間にすぐ達してしまうのだ。それをもって大人は行き場のない愛情を犬猫へと持っていく。
もっとあけすけな海外で制度の緩い国に柔軟に移住できていれば、これらの人たちはもう少し幸せになれるのだろうと思う(もちろんそれに付随する大問題があるのは承知の上で)。まあしょうがない、日本に暮らしているのだから。
ペットに去勢する自分に抵抗感
話が少しずれてきたので、ペットに話題を戻す。いざペットを飼うには、いくら増えても構わない環境(田舎の戸建など)でない限りいわゆる去勢が必要で、近隣に迷惑をかけることを最大限に嫌う、狭い場所に住み合う都会では仕方ないこととはいえ、そうした自身のエゴを、目の前にいるいたいけな生き物に重ねることに抵抗感を感じる人も多いのではないだろうか。
需要はあっても、あの時から脱せないソニーのaibo
そう思うとソニーでペットロボットのaiboが2017年のいまモデルチェンジして復活したのはそれらのことを考えずに済むということで、ペットのさらなる代用が出来てよいことなのかもしれないが、ソニーは旧スタイルを大事にしすぎたばかりに、いまならもっと自然な動きに出きるにもかかわらずaibo新商品でもせいぜいクラウドを活かした程度で古いバブル黄金期のロボットモデルから脱却できないのには超絶にがっくりする。
ソニーが拾えない、過去に依存しない、ニーズを組んだ、もっと自然なAIでライバル商品が出てきてほしいものである。
ペットが買えない理由はさまざま
なぜライバルが出てきてほしいのかというと、さきほど言った去勢と、あとはペット自身の寿命の短さと、ペットシッターの絶対数の少なさから旅行に行きづらいなどの行動制限のせいで、ペットを飼うことに踏み切れない人は昔もいまも一杯いるのだから、選択肢は1つである必要はないのだ。
案外ベンチャーが企画と引き換えに資金を集めるキックスターターや、成熟して日本よりも圧倒的な開発力と内需がある中国市場あたりから登場するのかもしれない。僕も欲しいのだが、他の国に期待する。
写真は幾度となくふらふらと歩いている豊平川。